不動産を所有している方であれば、一度は「登記をするか否か」について考えると思います。不動産登記は法律で義務化されているわけではございませんが、これを怠ることによって思わぬ事態を招く恐れがございます。ここでは、不動産登記に関する基礎知識についてご紹介いたします。
不動産登記の役割とは
不動産登記とは個々の不動産の権利関係を登記簿に記録することをいいます。
これを行うことによって、誰がその不動産の所有権を持っているのか、その不動産には担保が付いているのか、などを明確にすることができます。
「自分が権利者」ということを第三者の目から見ても明らかにできるので、所有権や抵当権などの権利を第三者に主張することができるのです(これを法律的には「対抗力がある」といいます)。
つまり、不動産登記の役割は「その不動産に関する権利者を守ること」だといえます。
登記の公信力について
上述の通り登記は対抗力を持っています。しかし、強い対抗力を持ちながらも公信力は持ち合わせておりませんので、その点はご注意ください。公信力が無いということは、登記の内容を信じて取引を行っても、その権利は守られないことを意味します。
たとえば、ある人の名前で所有権登記がなされている不動産があり、その登記を信じてその人からその不動産の所有権を取得した場合でも、実は真の所有者はある人とは別人だったときは、結果としてその不動産の所有権を取得できないのです。不動産登記は、売却によって所有者が移転した場合や、新しく抵当権等の権利が設定された場合などに、その変更手続きが必要となります。